Thanks for XX【六花の翼・番外編】
姉ちゃんは……
でっかい目に涙をいっぱいためて、
自分でたたいた清良さんを、にらみつけた。
「姉ちゃん……」
ふるふると震える唇を噛み締めて、
姉ちゃんは俺達に背を向ける。
そしてそのまま、スタスタと歩いていってしまった。
「清良さん、今のは……」
「わかってる……」
清良さんは、打たれた頬を押さえたまま、うなだれていた。
でも髪が短いから、
泣いてる顔丸見えですけど。
「……追わなくていいの?」
「だって、殴られたの清良さんじゃん?」
「だってアンタ、姉ちゃんラブじゃん」
「清良さんほどじゃないよ」
大丈夫、姉ちゃんは……
あの戦いで、無駄に強くなってしまったから。