Thanks for XX【六花の翼・番外編】
……悲しい事に、この田舎では帰り道に寄れるようなところが一つもない。
有名なハンバーガーチェーンでさえ、ない。
しょうがなく俺達が腰を下ろしたのは、
実家の近くの神社だった。
「……う、ぐす……」
清良さんは、まだびすびす泣いている。
「そんなにショックだった?」
「うん」
「そっかー……でも、もう一生会えないわけじゃないんだし」
そりゃあ、初めて聞いたときは俺も落ち込んだよ。
瑛さんに敵わないのは、途中から嫌って程わかってたけど、
俺だって、姉ちゃんのこと好きだったわけだから。
東京に行ってしまう……
今まで毎日会えた姉ちゃんがいなくなってしまうのは、
やっぱり寂しい。
「あたし、勝手に同じ短大行けると思ってたんだもん」
清良さんが言ってるのは、
地元から1時間くらいで行ける、短大のこと。