Thanks for XX【六花の翼・番外編】


……悲しい事に、この田舎では帰り道に寄れるようなところが一つもない。


有名なハンバーガーチェーンでさえ、ない。


しょうがなく俺達が腰を下ろしたのは、

実家の近くの神社だった。



「……う、ぐす……」



清良さんは、まだびすびす泣いている。



「そんなにショックだった?」


「うん」


「そっかー……でも、もう一生会えないわけじゃないんだし」



そりゃあ、初めて聞いたときは俺も落ち込んだよ。


瑛さんに敵わないのは、途中から嫌って程わかってたけど、


俺だって、姉ちゃんのこと好きだったわけだから。


東京に行ってしまう……


今まで毎日会えた姉ちゃんがいなくなってしまうのは、

やっぱり寂しい。



「あたし、勝手に同じ短大行けると思ってたんだもん」



清良さんが言ってるのは、

地元から1時間くらいで行ける、短大のこと。





< 86 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop