Thanks for XX【六花の翼・番外編】
偏差値も学部も無難で、
遠くまで通うほど情熱のない、
「とりあえず短大くらい出ておく?」という子が多く行く、
地元では有名な短大だ。
「……姉ちゃんも、迷ったみたいだけど。
もともと一回はここを出て行きたいみたいなことは言ってたし」
「そんなの、お嫁に行く時でいいじゃんよー。
まりあの薄情者~」
あー……タチ悪いな……
女の子って皆こんなもん?
いや、違うよね。清良さんの執着の仕方は異常だよね。
「清良さん……
姉ちゃんが行く専門て、どんなとこか知ってる?」
「ふえ?」
「ブライダル専門、なんだって」
清良さんは、
せっかく綺麗な顔に豪快に鼻水を垂らしたまま、
ぽかんと俺を見上げた。