Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「清良さんの結婚式は、いつか自分がプロデュースするんだって、
はりきってたよ?」
「えぇっ!?」
「一番身近な人の、
一番近い将来にあるであろう、
幸せな瞬間に関われる仕事がしたいんだって」
「まりあが、そんな……」
はい、すみません。
ちょっと盛りました。
姉ちゃんは、『人の幸せに貢献できる仕事』をしたいと言ってた。
どんな仕事でもそれはそうなんだろうけど、
未だに夢見がちな姉ちゃんは、
その中でも花やドレスに囲まれた仕事に憧れてた。
現実はそんなに甘くないと思うんだけどね。
とにかく清良さんは、一気に気分が良くなったようで、
ごしごし顔をふいて、ニパァと笑った。