Thanks for XX【六花の翼・番外編】
清良さんは赤くなって、俺の背中をぽかぽか殴りつけた。
ちゃんと痛くないように、手加減して。
「短大行ったら、彼氏できるっしょ。
清良さん、綺麗だもん」
「あんただって、ひそかにモテてるくせに。
何か大人になっちゃったね。
余裕ぶってさ、あーやだやだ、可愛くない」
「……俺もね、いつまでも弟キャラで、
可愛いって言われるのもどうかと思う」
「やだよー。
なんで皆、あたしを置いていっちゃうの?」
清良さんは両膝を抱えて丸まってしまった。
パンツ見えるよー。
「……置いていかないって」
「嘘だー。太一なんか、彼女できたら、
その子との初めてのエッチに夢中になって、
あたしとなんか遊んでくれないんだー」
「何それ……俺の認識、ひどくね?
そんなことないって。
いつまでも、一緒に遊ぼうよ」
「……本当に?」
清良さんはパッと顔をあげた。
いつも綺麗に手入れされた、整った顔。
不覚にも、どきりとしてしまった。
そっか……。
強く見せかけてたけど、
結局清良さんも、普通の女の子なわけだ。