東雲の支配者
そう言うと、女子全員がこっちを見る。
私は跳び箱を跳ぶのをやめ、渋々一人で片付けをする事に。
重たい跳び箱を持ち上げて倉庫に運んでいると、バランスを崩して落としてしまった。
それを見ていた女子が近寄って来てこう言った。

「ちょっと。なにやってんの?もう授業の時間終わるんだけど。早くしてよ。」

「…。」


彼女は綺麗な顔立ちで体型もモデルのような美しい容姿だ。
私はつい見とれてしまい、質問に答えるのを忘れていた。

「なんか言ったら?」

「もったいない…。」

「はぁっ?なに言ってんの?頭いかれてんじゃない?」

彼女がそう言うと、周りにいた女子がクスクスと笑った。
その瞬間予鈴が鳴り、みんなぞろぞろと教室に戻って行った。
私が落としてバラバラになった跳び箱を一つ一つ重ねていると…。

「女子って恐いね。」

そう言って悠太は私が持っている跳び箱を軽々と持ち上げた。

「いいよ、私の仕事だから。」

「手伝うよ。筋トレになるし。」

「…ありがとう。」


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