東雲の支配者
そんな大好きな父が帰って来る事になると母はその日が来るまで毎日テンションが高い。
それに合わせなければいけない私は、酷く疲れる。
だから私は夕飯を済ませるとさっさと自分の部屋に戻る。
そしてベッドに横になり目を瞑っていると、突然部屋の窓になにかが当たる音がした。
慌てて窓を開けてみると、家の前に悠太が立っていた。

「悠太？なにしてんの？」

「この前借りたタオル洗ったから返しに来た。」

私は急いで外に出る。

「ほらよ。サンキュー。」

「別にいつでも良かったのに。」

そのまましばらくたわいもない話をしていると…。

「あれ、悠太と亜夕菜じゃない？」

突然話し掛けてきたのは、隣の家に住む恵子ちゃんだ。
小さい頃はよく三人で遊んでいたけど、小学校の頃から恵子ちゃんはだんだん私を避けるようになり、今は高校も違うしもうめっきり会う事もなくなった。

「びっくりしたー。二人まだ仲良かったんだぁ。なんか意外。」

「意外ってなんだよ。」

「なんとなく。そうそう、私の友達で二人と同じ高校通ってる娘がいるんだけど、私が悠太と幼馴染だって言ったら超羨ましがってたよ。悠太の事、勉強も出来るしスポーツ万能だしイケメンだから女子からめっちゃ人気あるって言ってたよ。」

「別にそうでもないし。」

二人の会話に入る事が出来ず、私はしばらく黙り込んでいた。
すると…。


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表紙・目次

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