東雲の支配者

「そういえばその友達に亜夕菜もうちらの幼馴染だって言ったらびっくりしてたよ。亜夕菜って変わり者だから学校でも有名人なんだって？その友達に頼まれて昔三人で撮った写真見せたら、亜夕菜の事見て爆笑してたよ。私もつられて笑っちゃった。ほんと亜夕菜って…」

「もうやめろよ、そんな話！」

悠太はいつになく強い口調でそう言うと、私の顔をちらっと見て驚いたような顔をしている。
驚くのも無理はない。
なぜなら、私の目から大粒の涙が次々と地面に落ちているからだ。
私の涙腺がいかれた訳ではない。
昔からわかっていた。
私はブスで、二人とは釣り合わない。
わかってた事だけど、その事をこんなに惨めに感じた事はない。
きっと私は悠太が側にいると、そんな自分になにかを期待してしまうのだ。
私がブスで可哀想だから悠太は同情して私を助けてくれる。
そのせいで私はどこかで自分がブスで良かったとすら感じていたのかもしれない。
けど、恵子ちゃんの話を聞いていたら、なぜか突然そんな自分を哀れに感じた。