東雲の支配者
「亜夕菜、どうしたの?ごめん、私なんか悪い事言った?」

その場の空気の悪さに耐えきれず、私は逃げるように近所の公園まで全力で走った。
公園に着くと大きな滑り台の下にしゃがみ込む。
そして俯いていると、すぐに悠太が走って追いかけて来た。
俯いてしゃがんでいる私の頭を、悠太は優しく2回叩いた。
そのままなにも言わず私の隣にしゃがんだ。

「私、どうしちゃったんだろう。」

「ん?どうもしてないよ。嫌な事を言われて泣きたくなるのは当たり前の事なんだから。」

その台詞を私は素直に受け入れる事が出来ず、つい感情的に言い返した。

「違う!そうじゃない!悠太だって私がブスで可哀想だから同情してるんでしょ?」

「はっ?俺がいつお前に同情した?」

「いつも私を気にかけてくれるのも、私が可哀想だからなんでしょ?」

「違うよ!お前の事可哀想だなんて思った事一度もないよ!」

「嘘!そんなはずない!みんなそう思ってる。それに、じゃなきゃ悠太が私を助ける理由なんてないでしょ。」

「…そんな事言うなよ。俺は…。俺は…お前の事が好きなんだから。ずっと昔から、お前の事しか見てなかった。」
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