東雲の支配者
「ただいま。」
「おかえり。今日駅前で亜夕ちゃんの好きなチーズケーキ買ってきたわよ。着替えたらすぐ下に下りてらっしゃい。」
「はい、ママ。」
小さい頃からずっと変わらない。
母は機嫌がいい時だけこうして駅前のチーズケーキを買って来る。
私がほんとはチーズケーキが苦手な事に気付いてはいないだろう。
無理して笑顔を作って喜ぶふりをしている事にもね。
「この前駅の近くで悠太君と恵子ちゃん見たわよ。あの二人は小さい頃から可愛かったけど、最近はもうすっかり美男美女になっちゃって。」
「へえ。そうかな。」
「小さい頃から亜夕ちゃんだけ引き立て役だったから、一緒に写真撮るのが恥ずかしくてね。そういえばこの前恵子ちゃんのお母さんから聞いたけど、恵子ちゃん高校卒業したら東京の美容専門学校に行くみたいよ。悠太君は東京の大学目指して頑張ってるみたい。」
「へえ。すごいね。」
「亜夕ちゃんはなにか考えてるの?」
「私は…。大学に行きたい。東京の。」
「おかえり。今日駅前で亜夕ちゃんの好きなチーズケーキ買ってきたわよ。着替えたらすぐ下に下りてらっしゃい。」
「はい、ママ。」
小さい頃からずっと変わらない。
母は機嫌がいい時だけこうして駅前のチーズケーキを買って来る。
私がほんとはチーズケーキが苦手な事に気付いてはいないだろう。
無理して笑顔を作って喜ぶふりをしている事にもね。
「この前駅の近くで悠太君と恵子ちゃん見たわよ。あの二人は小さい頃から可愛かったけど、最近はもうすっかり美男美女になっちゃって。」
「へえ。そうかな。」
「小さい頃から亜夕ちゃんだけ引き立て役だったから、一緒に写真撮るのが恥ずかしくてね。そういえばこの前恵子ちゃんのお母さんから聞いたけど、恵子ちゃん高校卒業したら東京の美容専門学校に行くみたいよ。悠太君は東京の大学目指して頑張ってるみたい。」
「へえ。すごいね。」
「亜夕ちゃんはなにか考えてるの?」
「私は…。大学に行きたい。東京の。」