東雲の支配者
陽咲に連れられ外に出ると、街は人で賑わっていた。

「すごい人…。」

私が圧倒されていると、一人の中年の女性が陽咲に声をかける。

「あら、陽咲じゃない!朝屋(ちょうや)から出て来るなんて珍しいわね。昨日は宴にでも参加したの?」

「おはよう。宴には行ってないさ。私のガールフレンドがここの部屋を借りていてね。今日は今から街を案内するのさ。」

「あら。若いっていいわね。今度私ともデートして頂戴な。」

「ああ。楽しみにしてる。それじゃ。」

陽咲は去って行く女性に向かってヒラヒラと手を振る。

「ちょっと、私いつからあなたのガールフレンドになったの?」

「亜夕は意外と小さい事を気にするタイプなんだ?さ、行こう。」

「…。」

陽咲は清々しい笑みを浮かべた。

私は完全に陽咲のペースに押され気味だ。








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