東雲の支配者
いったい陽咲がどこへ向かっているのかはわからない。
もしかしたら私を誰かに売り飛ばす気なのかもしれない。
心のどこかでそんな風に思いつつも、私は彼に付いて行く。
この街に来てから私は常に空中をフワフワ浮いているような不思議な気持ちで、家を出る前に母から言われた酷い事もどうでもいいような気がしていた。
物心がついてから今まで捕らわれていた不安という名の呪縛から解放されたようで、今の私はとても身軽だ。
もうどうにでもなれと言わんばかりに、私は堂々と陽咲の後を付いて行く。
向かった先には10メートルはあるであろう真っ白な高い壁がどこまでも続いていた。
その中心に木製の大きな扉がある。
陽咲はその扉に軽く手を当てた。
すると不思議な事に、重そうな扉がゆっくりと開いていく。
「さあ着いた。」
「わあ…。」
扉の向こうには、一面にアサガオが咲き乱れていた。
もしかしたら私を誰かに売り飛ばす気なのかもしれない。
心のどこかでそんな風に思いつつも、私は彼に付いて行く。
この街に来てから私は常に空中をフワフワ浮いているような不思議な気持ちで、家を出る前に母から言われた酷い事もどうでもいいような気がしていた。
物心がついてから今まで捕らわれていた不安という名の呪縛から解放されたようで、今の私はとても身軽だ。
もうどうにでもなれと言わんばかりに、私は堂々と陽咲の後を付いて行く。
向かった先には10メートルはあるであろう真っ白な高い壁がどこまでも続いていた。
その中心に木製の大きな扉がある。
陽咲はその扉に軽く手を当てた。
すると不思議な事に、重そうな扉がゆっくりと開いていく。
「さあ着いた。」
「わあ…。」
扉の向こうには、一面にアサガオが咲き乱れていた。