東雲の支配者
女の子は私の存在に気が付くと、その表情を一変させる。
そして私を睨むとこう言った。

「もしかして、あなた亜夕?」

「えっ、そうだけど。」

「あなた、よくも今まで散々陽咲を虜にしてくれたわね!」

そう言うと女の子は私に飛びかかろうとする。
それを陽咲が止めに入る。

「エミリ。」

そう言うと陽咲は真剣な眼差しで女の子を見つめる。

「…。ごめんなさい。」

女の子はすぐに大人しくなった。

「亜夕、紹介するよ。フラワーランドを管理してるエミリだよ。」

「はじめまして。」

エミリはどこか納得のいかないような表情でそう言った。

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