東雲の支配者
「デーテ?」

「私の母よ。そっかぁ、まだ会ってないのね。」

「あなたのお母さんがデーテなの?」

「そうよ。私だけじゃなく、この街の住民全員がデーテの子供。」

「はい?」

「あぁ…もうっ!とにかく今にわかるから!」

エミリは面倒臭そうにそう言った。
いったいデーテとは何者なんだろう。
私の脳裏には大家族の肝っ玉母ちゃんのような人物像しか浮かんでこなかった。

「はい。」

エミリは突然スケッチブックと色鉛筆を渡してきた。

「えっ、なに?」

「なにって、描くのよ!見ればわかるでしょ?」

「なにを?」

「東雲草に決まってるじゃない。他になにがあるの?」






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