東雲の支配者
母はいつもそうだ。
突然思いついたかのように私に有らぬ疑いをかけてくる。
厄介な事に、一度疑い出すとそれを信じて止まないのだ。
おかげで私はタバコなんて吸った事もないのに、母にビンタまでされた。

母の発想力は実に豊かだと思う。
なんの根拠もなく突然思い付いて、それを信じてしまう部分に関しては、病的だと私は思う。
けれど、そんな事を指摘した日には、きっと私は母に殺されるだろう。
< 4 / 80 >

この作品をシェア

pagetop