東雲の支配者
「お気に召さなかった?俺の鉄板ネタ。」
「ネタだなんて…。どうかしてる!あなたも、あの会場にいたみんなも!」
「あらら。怒っちゃった。君はなぜそう思う?彼らの事を哀れだと思うからから笑ってくれないの?」
「違う!そういうんじゃなくて、その…。」
「ふふふっ。ありがとう。同情してくれて。けど、それってほんとに優しさかな?」
「…。」
なにも言えなかった。
なにを言っても自分が偽善者になるような気がして。
そんな私を嘲笑うかのように、雨音はニヤつきながらこう言った。
「また宴に行く気になったらいつでも俺に言え。付き合ってやる。じゃ、おやすみ。亜夕。」
そう言うと雨音は私を部屋に押し込み、襖を閉めた。
「…なにあれ。バカにして。ムカつく!」
私はその夜悔しさで眠る事も出来ず、怒りで震えたまま朝を迎えた。