東雲の支配者
「料理に興味があるの?」

「えっ、あぁ。私料理した事ないから、少し。」

「そっか。亜夕ちゃんもいつか家族が出来たら、家族のために毎日作りなさい。人が作った料理にはね、不思議な力があるのよ。愛情っていうのはそういう所から伝わっていくんだから。」

「ふーん。」

夕食の支度を終えると、いよいよパーティーの幕開けだ。

「乾杯!おめでとう、亜夕ちゃん。」

私はわけもわからずとりあえずこう言った。

「ありがとう。」

私とデーテは時間を忘れ、たわいもない話で盛り上がった。
私はデーテに昨日の朝屋での出来事を話した。
すると…。

「あはは!おかしい!さすが雨音ね。押入れを本当に壊すなんて、亜夕ちゃんもやるじゃない。」

「でもその後腕がパンパンになっちゃって。」

「あはは!そりゃあそうよ。」

何時の間にか私達はまるで本物の親子のような関係になっていた。
< 70 / 80 >

この作品をシェア

pagetop