東雲の支配者
私は楽しくてこのまま時が止まればいいとすら思った。
けれど、現実はそううまくはいかないのだ。

パーティーを始めてからもう随分時間が経過して、時刻はもう深夜1時を廻っていた。
すると、それまで楽しそうに笑っていたデーテの表情が一変し、突然真顔で黙り込む。

「デーテ?眠いの?」

「…亜夕ちゃん、あなたに話さなくてはいけない事があるの。聞いてくれる?」

「えっ、なに?」

デーテがあまりにも寂しげな顔をするから、私はすごく不安な気持ちになる。

「亜夕ちゃんが東雲に来た理由、知りたい?」

「えっ、うん…。知りたい。」

「実はね、亜夕ちゃんがあの日ここに来る事を私は知っていたの。」

「えっ…?」

その瞬間体中に鳥肌が立つのがわかった。
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