わたしの心をあなたにあげる
僕は自販機には向かわず屋上に向かった。
ガチャッ
「祐希……体育館倉庫の横に優衣いるから。ちゃんと話し合いしてきなよ」
「ありがとう拓哉」
そのまま祐希は屋上を飛び出していった。
「拓哉。損な役回りお疲れ様」
「………なんだ。和俊も気づいてたんだ。鈍感なくせに」
「……あぁ。俺で気づくんだから春も当然気づいてただろ?」
「…………あぁ」
「………そっか。僕らのお姫様は最終的には祐希のものになっちゃうんだね」
「そうだな。でも俺これからも優衣とは一緒にいるつもりだし」
「当たり前じゃん」
優衣大好きだったよ。
いや──────────……
今でも大好きだよ。