ねこのマリン
歩いてごらん

そう言われて
足が大地を踏んだ。

それは柔らかくて温かくて
けれどとても力強かった。


ぼくは数歩進むと
急に怖くなって
お母さんの方を振り返った。

この世界に吸い込まれて
戻れなくなるような気がしたから。


上を見ると
どこまでも続く
青空が広がっていた。

それはいつも見ている景色と
同じだった。


ぼくは ココにいる
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