ねこのマリン

あたらしい家

どのくらい
揺られていただろうか。

途中、キィ~ って音や
ブ~ン って音、
今まで聞いたことのない音が
たくさん聞こえた。

中でもガタンゴトンいう音と振動は
永遠に続くように思えた。


時々あの人が
心配そうにぼくを覗いた。


これからどうなるか
分からない不安の中
我慢がでなくて
時々ミャア~ と鳴いた。

そうすると
小さな部屋が温かくなり
ぼくは抱きしめられてるのを感じた。



小さな部屋の暗闇の中で
ぼくはずっと
トラくんのことを考えていた。




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