兄妹芸人(仮)

「だって、友だちが他の奴とやるからいいって言うから、じゃあ俺も方向性が一緒の相方を探そうと思って。」



あたしに辿り着いたと。


よし。なんとなく理由はわかった。が、




「あたしは絶対やんねーかんな。」


「えぇ?!なんで?!」


「お前らがお笑いやりたいなら勝手にやれ。あたしを巻き込むな。」


「でも、昨日と今日で明里の日頃のツッコミ力も見たし、それに明里がネタみた感想が的確過ぎて俺はお前とならいけるって思ったんだぞ!」


「知るかボケ。あたしはお前の遊びに付き合ってられるほど暇じゃないし」


「またまたー。それにほら、俺たちなら男女のコンビって言うのプラス兄妹って言う特典までついてくるんだぞ!」




んなお得だろ?みたいな顔をされましてもね。



「あたしが人前に立つの嫌いなの知ってんだろ。悪いけど、嫌なもんはイヤなんです。」



「それは、そうだけど…俺は明里と、もう一回やってみたいんだよ!明里のわからずや!」



うわーんと効果音付きで去って行った兄、慎太郎。


うわーんってなんだ高2男子のうわーんなんてカケラも可愛くねーぞ。



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