兄妹芸人(仮)

甘えるなんて、あたしがするわけないだろうが。



「今日のステージの前、明里が俺を頼ってくれたの、不謹慎にも可愛いなぁと思ってみたり。」


「てめぇあのときそんなこと思ってたのか。」


「ステージ終わって外で顔合わせたとき、一瞬ホッとした顔になって、思わず抱きつきたくなったり。」


「それは目の錯覚だと思うぞこの変態。」


「クラスに行って先輩に困ってる明里を助けてあげれて、兄貴っぽいことしてんなぁって思ったり。」


「お兄さんそんなことで邪魔しに来たの?!てか明里くん困ってなかったよね?!」


「あ、それは困ってましたよ。ものすごく。あといい加減明里くん呼びやめてもらえませんかね。」


「ねぇ明里くんさ、オレとも出ようよ。お祭りのステージ!」


「あー今も困ってる。すげーあたし困ってますよ先輩。日本語通じないってすごいっすね。何語なら通じるんですか?」





「……ねぇねぇねぇゆうき、今結構シリアス展開だったよね?俺結構がんばってシリアス感出したよね?おかしいのは明里と先輩だよね?」


「うーん。そうかもねぇ。」


「諦めろポンコツ。お前にシリアスは似合わない。シリアルが限界だろ。」


「明里、確かに朝食のシリアルはおいしいけどそれとこれとは話が違うよ!」


「いや、お前ならきっと立派なシリアルになれるよ。」




「……りくー!明里が冷たいよー!」


「明里ちゃんがボケると慎太郎にとっては冷たいってことになるのか。」


「橋本くん、なにわけわかんないこと言ってんすか。ほら、お好み焼き焦げますよ。早くひっくり返して。キレイにひっくり返してくれなきゃ殴りますよ。慎太郎を。」


「殴られるの俺なの?!」




当たり前じゃないかそんなの。










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