兄妹芸人(仮)

あたしが甘える?

ふざけんじゃねーよ。



「よっ とぁー!!悪いな慎太郎失敗した!」




「てぃっ!」


「いったーい!!なんで俺なの?!」



そんなの、お前がふざけたこと言ってんのが悪いだろ。


あたしがポンコツに甘えるだと?


「うるせーよ。余計なこと言ってるお前が悪い。」


「余計なことってなにさ!俺なんか言った?!」


言ったよ。
あたしは慎太郎に甘えたりなんかしない。

寝言は寝て言っていただきたいものだ。



「あ、わかったぞー。」


「なに?ゆうき、なに分かったの?」


「さては明里ちゃん、恥ずかしいんだろー。甘え慣れてないから、慎太郎に言われたことがくすぐったいんだよね?」


「やぁっ!」


「…っいったーい!!明里ちゃん!痛い!」


「痛くなるようにチョップしたんで、痛くなってもらわないと困ります。」


「それも照れ隠しってことか。」


「せいっ!」


「いっ…!!スネが…っ!!」


「先輩、黙ってお好み焼き、切り分けてもらえます?」


「…オレ一番年上のはずなのに…。スネいたい…。」



みんなしてなんなんだ。


あたしは恥ずかしがってなんかいない。

照れてなんかいない。



「明里…かわいい!」






< 106 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop