兄妹芸人(仮)
「あたし、お笑い好きだよ。」
「じゃあ…!」
「でも、お前はそうじゃないだろ?
今回はいつもの気まぐれが何を思ったのか長引いてるだけだよ。
だから、あたしはやらない。」
「…違うよ。俺もお笑い好きだもん。
明里と、これからもずっとやっていきたいって思ってる。
気まぐれなんかじゃない。」
もんとか言うなよ。可愛くないから。
「それなら、ほら、先輩と組めば?」
お互いにやりたがってるんだから、丁度いいじゃないか。
「先輩じゃダメ。俺のやる気がでない。」
「なっ…!こっちだって明里くんとじゃないなら願い下げだっつーの!」
あたしを挟んで睨み合うふたり。
目の前で橋本くんが大きなため息をついた。
「お前らさ、いい加減にしましょうね?」