兄妹芸人(仮)

しょんぼりと肩を落としてしまったポンコツ兄さん。

一度こうなるとなかなか自力で復活してこないから面倒だ。



「しんたろー?」



慎太郎の向こう側に座る橋本くんが呼びかけても返事はない。

なんだ、ただの屍か。



「人様に迷惑かけない。」


さっきやっとのことで理解した一言を口にすると、ピクッと肩を揺らす。




「明里くんって本当にスパルタだよね。Mの人とかすごい喜びそう。」


「先輩変なこと言わないでくださいよ。あと明里くんって呼ぶなって言いましたよね?」


「あ、はいすいません。」



「で、慎太郎。あたしはなんであんたがそんなに悔しがってるのかがさっぱりわからないんだけど。」


「だって……」




「確かにあんたは馬鹿みたいに人のいいところしか見ないし、自分の感覚に正直に生きてるからあたしとは性格が全く違う。それは変えようのないことだし、変える必要もない。」




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