兄妹芸人(仮)

「まぁまぁいいじゃないの。オレと明里くんの仲なんだし。

ほら、そうと決まれば帰りましょうお二人さん!」



どんな仲だよと攻撃する前にカバンを奪われてしまった。

なんで二階堂先輩が先導してんだ。

家の場所知らないくせに。



「えー、先輩がうち来るんですかー?」


「んだよ、文句あっか。」


「ありありですよ!学校からの帰り道は明里と二人で兄妹の絆を深める時間ですので、先輩はお邪魔虫です!」


「そしたらオレは明里くんとコンビの絆を深めるから、お前お邪魔。」


「明里の相方は俺です!」


「ゆくゆくはオレだろ?」


「誰がそんなこと許すと思ってんですか?明里は……」



なんともアホたいな言い合いが始まってしまったので、ポンコツ二人がそっちに集中しているうちに先に帰らせてもらうことにした。


あの様子だと、白熱しすぎて当分あたしがいなくなったことに気付かないとみた。



ついでだからいつもと違う道を帰ってやろう。


そうすれば追いつかれることなく家まで静かに帰れんだろ。





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