兄妹芸人(仮)

ポンコツを引き取ってもらってあたしものんびり自分の教室に戻る。


あ、チャイムがなってしまった。
まぁ仕方ないよ。あのポンコツのせいだ。






「古川おせーぞ。」


教室に入るといきなり声がかかった。
まぁ遅刻して入ったんだから当たり前か。


それにしても次の授業は担任だったか。
絡まれる前に素直に謝っておこう。




「すんませーん。」


「罰としてオレの仕事を手伝え。」


「時給いくらです?」


「手伝うっていうのはつまり無償の愛だ。」


「なめるな。仕事には報酬が付きもんっすよ。」




なんで素直に謝ったのに絡まれたんだ。
謎だ。




「先生早く授業進めましょうよ。給料もらってんだからちゃんと仕事しやがれください。」


「お前の敬語は敬語と認めないぞオレは。」


「そんな馬鹿な。こんなに敬っているというのに。」


「棒読みやめろや切なくなるだろ。先生泣いちゃう。」



泣き真似したってやめるつもりないんだからね!

成人男性の泣き真似なんて可愛くないぞ。



< 19 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop