兄妹芸人(仮)
放課後、仕方なく味方のいない担任の仕事を無償で手伝ってあげることに。
「なんだかんだ言って古川って優しいよな。」
「帰っていいすか?」
「なんでオレ褒めたのに拒否されたんだ?」
「うるせーですよ。本気で帰るぞ。」
口じゃなくて手を動かせよ。
「すみませんでした。帰らないでください。」
パソコンでカタカタ何かを打ち込んでる担任の横で、課題の提出をチェックする。
仕事と言ってもハンコをぺったんこして名簿にチェックを入れるだけという単純作業。
これあたしじゃなくても良かったんじゃないかとかすげー思っている。
思うだけにとどまらず口に出したが。
「だってこれ明日には返却しないとお前が怒るだろ?」
まぁ、週末の課題は木曜日くらいまでには終わらせておきたいからな。
でもそのために自分が働くのもなんだかなぁ。
「ほら、これやるよ。報酬だ。」
コロンと転がる飴玉ひとつ。
「やっすい報酬っすね。」
ありがたくもらっといてあげますよ。