兄妹芸人(仮)

刺身三種盛り



担任の手伝いをしていると、突如勢いよくドアが開いた。



その先には、やっぱりと言うかなんというかポンコツな兄貴が。



その隣には方向性が違うと言っていた相方の田村くんとポンコツのお世話係の今野くん。



「明里、なんでこんなところにいるの?」


自分の所属クラスの教室にいることがそんなにおかしいだろうか。


「ネタ見てくれるって言ったじゃん!」


え、今日なのそれ?
今なの?



「ネタ?」

「先生、気にしたら負けっす。もうチェック終わったんで帰りますね。」



課題をまとめて教卓にどさっとのせ、カバンをひっつかむ。



「田村くん、今野くん、あたしは帰るから兄をよろしく。」


じゃ、と手を上げ昇降口へと足を進める。


後ろで「うわーん」が聞こえた気がしなくもないが、空耳ということにしておく。



どうせ帰る場所は同じなんだ、問題はなるべく先延ばしにしたい質なんでね。

先に帰らせてもらおうじゃないか。






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