兄妹芸人(仮)

「明里ーぶフぉっ!!」



今日の放課後もいつもと同じように教室の前のドアが開く。


いつもなら冷たい目をした、またはどーでもよさげな目をしたあたしが迎えるのだが、今日はちょっと特別仕様にしてみた。




それはそれは華麗な飛び蹴りだったと目撃者は証言する。




「てめぇ何勝手にうちのクラスの配役に口出してんだよ。納得いく説明しやがれ。」



今の一連の出来事はもちろんさっき頭を働かせた内容である。



あ、間違えた。内容の一部である。




「え!もう伝わっちゃったの?俺が言おうと思ってたのにー。」


「うるせぇ黙れ。説明しろ。」


「黙れって言ったり説明しろって言ったり、どっちなのさー?」




今非常にこの目の前のポンコツの頭を叩きたいんだが、いいだろうか。いいよな。




「いったーい!!なんだよ明里!急に叩くなよ馬鹿になるだろ!」



「もう手遅れだから心配すんな!てかふざけんなマジで!お前由紀子なに言った?お前のせいであたしは…!!」



「まぁまぁ落ち着いてよ。」



「落ち着けるか、この、ボケー!」








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