兄妹芸人(仮)
イケメンホスト
そしてそれから文化祭までの間、いままでからは考えられないほどの時間をポンコツの相方として、慎太郎と過ごした。
家ではネタを考え、学校ではクラスの企画の準備をし、家に帰り立ち稽古。
クラスの準備は着々と進み、気づけば立派なホストが鏡の中に出来上がっていた。
「髪、もうちょっと盛る?」
「断る。」
今の状態でも充分すぎるくらい盛ってあるのだ。
「メイクは…」
「断る。」
男装なのにメイクは必要ないだろ。
…必要なのか?
「明里は元が可愛い過ぎるからいらないでしょ。メイクしたらもっと可愛くなっちゃう。」
…なぜお前があたしのクラスにいるんだ。
「だって相方がどんな格好で出るのかとか、把握しておきたいじゃん。」
だからお前も甚平で来たのか。
その甚平この間の花火大会で見た気もするが。