兄妹芸人(仮)

「まだ時間もいっぱいあるよ?

自己紹介も名前しか言ってないし!
ね?やめないよね?俺まだやりたいよ!」


「本気で言うわけねーだろ。いやまぁちょっとは本気だったけど。あとはお前が好きに自己紹介しろよ。」



「明里ちゃん今日はおしゃべりさんですね!お兄ちゃん明里ちゃんといっぱいしゃべれて嬉しいよ!」



「あたしは早く終わりたいんですが。」



「ダメですー!しっかり俺たちの生い立ちからみなさんに知ってもらわないと。」


「あたしは早く終わりたいんですが。」


「実はですね、俺たちちりめんじゃこは、最初しらすだったんですよ!」



「生い立ちって言うのかそれ?その話絶対長いだろ。あたし帰っていい?」



「スッキリまとめるから!そして、しらすは紆余曲折を経てちりめんじゃこへと加工されたのです!」



「まとまり過ぎてて何のことだか明里さん理解できない。

てかお前自己紹介するならもっとわかりやすい話ししろよ。趣味とか特技とか好きなものとか。」



「趣味…?ない、かな?」


「特技は?」


「特技ー…ない、かな?」


「…好きなものは?」


「明里、好きなものじゃ範囲がデカ過ぎてなに答えていいかわかんないよ!」


「よし。お前のやる気がないことは良くわかった。もうやめさせてもらうわ。」


「やめるなんて言わないで!!」






さっきの時点で辞めておけば良かったと激しく後悔。

あたしのハート粉砕。木っ端微塵。











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