兄妹芸人(仮)

橋本くんへの制裁を終え、慎太郎と今野くんの元へ戻ると、今野くんがすごい間抜け面であたしを見た。



「あれ、全部、アドリブだったの?」


「え、うん。」



台本飛んじゃってたし、自分でも何言ったかたいして覚えてない。



「マジで?!コケるバージョンで作ったんじゃなかったの?」



今度は橋本くんが間抜け面だ。


2人ともイケメンなんだからあんまりそういう顔しない方がいいぞ。

イケメンが台無しだろ。



「コケるバージョンで作ったんなら橋本くんに制裁なんてしないさ。

…なんで怒られたかわからないで、怒られてたの?



これはもう一度…」

「いえ、遠慮しておきます。もう勘弁してください。」



「オレたちさ、初めて見るネタだったから内緒で作ってたのかと思ったんだよね。
ほら、明里ちゃんも言ってたでしょ?何回もおんなじネタ見せられても苦痛だろーって。」



まぁ、言ったけどさ。


朝からのこんな短時間で、このど素人のあたしたちがネタ合わせまで終わるわけないだろうよ。











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