兄妹芸人(仮)
イケメンの隣に座ると、ぐっと距離を詰められた。
格好から見てこの学校の生徒だろう。
文化祭的な衣装を着ている。
見たことないし、先輩かな?3年生の可能性が高いと見た。
「見たよ。兄妹漫才。オレもお笑いとか好きなんだけどさ面白かった。」
「本当ですか?ありがとうございます!」
お笑い好きな人に面白かったって言われると、普通に言われるより数段嬉しいな。
「で、ものは相談なんだけどさ、明里ちゃん。」
「今は明里くんですってば。」
「明里くん、おれと一緒に漫才しない?」
はい?
「なにを言っているのですか?」
「なにって、そのまんまの意味だけど。
おれの相方になってよ。」
「…意味がわからないんですが。」
「おれさ、割と本気でお笑いやりたいんだよね。それで、相方探ししてたんだけど、なんか文化祭でお笑いやる奴らいるって聞いて、どんなもんかなって見に行ってみたの。」
「はぁ。」
「で、思いのほか可愛い子がやってんじゃんって言うのと、普通にいけるんじゃねーかっていうので、正式にお誘いしようかと思って。」
それで誘われたと。