兄妹芸人(仮)
「はぁ〜あ。君たちのせいで明里くん口説けなかったー。」
「口説くってなんですか!
俺の目が黒いうちは明里は俺のですからね!」
「ヤダなー本当に付き合うとかじゃなくて、コンビ組みませんかって話じゃん?
お兄さんはもうやったからいいじゃないの。
お兄さんばっかり明里くん独占してズルいと思わない?」
「ズルくない!…です!
古川兄妹ちりめんじゃこは永久に不滅なので、これからも明里は俺だけのものなんですー!
だから、…んぎゃっ!!」
コーラを持って席に戻るとすげー意味不明な会話が聞こえて来たから、とりあえずチョップを食らわせてみた。
あたしが居ない数十秒の間でどうすればこんな会話になるんだ。
恥ずかしいから本気でやめて欲しい。
「明里!お兄ちゃんがバカになったらどうしてくれるのさ?!」
「もう馬鹿だから心配すんな。
てかこのくだり前もやっただろ。お前の中で鉄板なのか。」
「ん?鉄板?あ、そうだ!
今日の帰りお好み焼き食べに行こう!」
「なんでこうなるんだ。…あたしのせいか。」
ごめんあたしが悪かった。
いつの間にかお好み焼きを食べに行くことが決定してしまうという不思議体験。
「オレもお好み焼き食いたーい。」
「オレもオレも。」
橋本くんと今野くんも行きたいのか。
なら仕方ない。
あたしも行ってやろうじゃないか。
「じゃあ、オレも行っちゃおうかなー。」