がーるずすくーる
その話を聞いた時、瑞紀は子供ながら「自分の父親はなんて情けない男なんだろう」と呆れ果てた記憶がある。
瑞紀の父親は情けない姿を娘に見られてもっと強くなろうと決心したのかある日、瑞紀を連れて空手道場に入門したのだった。
父が自分だけでなく瑞紀も一緒に空手を習わせたのは表向きは「可愛い娘が年頃になって悪い男に襲われた時の護身用に」と言っていたが本音では自分が強くてカッコイイ姿を見せたいという思いからだったのである。
しかし父は入門してすぐに練習中に腰を痛めて半年も経たない内にやめてしまった。
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