がーるずすくーる
瑞紀の客観的で矛盾点のない話に教師達も「これは正当防衛に近いな」と思いながらも「今回は仕方ないが次回このような事があったらすぐに先生を呼びにきなさい」と言うしかなかった。

職員室で鼻血の手当を受けた村田は廊下で瑞紀とすれ違った時に声をかけてきた。
「お前、すげーな。あの技どこで研究したんだ?」
「技?」
「手首つかんで捻って崩すやつだよ」
「あれは空手の捌きを応用したものだ」
「すげー、お前空手やってんだぁ、あたしさ格ゲー好きでさ」
「…実際の空手はゲームとは違う」
「ってか、お前、名前なんだっけ?」
瑞紀は溜め息をついて眼鏡をかけ直しながら名前を言った。
「むかで?あはは変な名前だな」
村田は無邪気に笑った。
その様子を見て瑞紀は『こいつは本物の馬鹿だ』と思った。
『勉強ができるのと実際に頭が良いのは違う』とその時にはっきりわかったのだ。
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