空蝉の光 -桜花乱舞-


「桜が俺と付き合ってくれるなら、バラさないよ」



私が恭介と付き合うだけで皆の命が助かる…。



だったら――。



「…分かった。恭介と付き合う…」



私の返答に満足したのか、恭介は掴んでいた私の手首を離した。



「じゃあ、桜。あの男にはもう近付かないでね」



私は恭介の言葉に頷いた。



声を出したら、泣いてしまいそうだったから――。



恭介は私の頭を撫でると、去って行った。






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