空蝉の光 -桜花乱舞-


「待ってよ、桜ちゃん」



突然彼に手を掴まれた。



「離してよ、一哉君…」



「やだよ。ねぇ、何であの時、甘味屋に来なかったの?」



一哉君は私の目をまっすぐ見つめて来た。



私をそんな目で見ないで…。



そんな目で見られたら、本当のことを話してしまいそうになる。





< 114 / 244 >

この作品をシェア

pagetop