空蝉の光 -桜花乱舞-
すると、今度は違う方から腕を引かれ、物陰に引っ張り込まれた。
「きょ…、恭介…」
目の前には顔を醜く歪めた恭介がいた。
「何で、アイツといるんだよ!お前は俺のモノだろ!?」
私がいつ、恭介のモノになったのよ…。
コイツ…、完璧にイカれてる…。
「恭介、アンタ――」
「あ、そうだ…。縛っちゃえば良いんだ…、婚約って形でね…」
私の目が見開かれた。
何を言っているの、コイツ…。