空蝉の光 -桜花乱舞-
「そんなの嫌に決まっ――」
「何だ、断るのか?じゃあ、アイツにバラしても良いんだな?」
「…っ」
私は言葉を詰まらせた。
そんなことをしたら、お母さん達が…。
「それだけは止めて…、お願い…」
私の言葉に恭介は気持ち悪い笑みを浮かべた。
「契約成立。じゃあ、明日には顔合わせしようか。実を言うと、もう親父には言ってあったんだよね♪」
本当に何なの…、この男…。
お母さん達のことがなかったら、こんな奴、蹴り飛ばしている所だ。