空蝉の光 -桜花乱舞-


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「つまり、あの男に正体をバラすって脅されて、付き合った。そして、そいつは縛る奴で、俺と会うことも嫌だった。しまいには無理矢理婚約ってわけか…」



一哉君は不機嫌そうに立てた膝に肘を乗せ、頬杖をついた。



私、何か機嫌を損ねるようなことした?



…したな。



私は一哉君が怒ってるんじゃないかって不安になって、彼を見上げた。






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