空蝉の光 -桜花乱舞-
「どうして、機嫌悪いの…?」
桜ちゃんは哀しそうな顔をしながら、頭を傾げた。
それ、反則…。
俺は額に手を当て、顔が赤いのを隠す。
「どうしたの、顔赤いよ?」
「な、何でもないよ。俺、外で待ってるから、早く着替えておいで」
桜ちゃんは訳が分からないと言うように頭を捻りながら、着替えに行った。
「駄目だな、俺…。桜ちゃんに完璧惚れてる…」
俺は恥ずかしさを紛らわすように頭を振ると、その場を後にした。