空蝉の光 -桜花乱舞-


「どうして、機嫌悪いの…?」



桜ちゃんは哀しそうな顔をしながら、頭を傾げた。



それ、反則…。



俺は額に手を当て、顔が赤いのを隠す。



「どうしたの、顔赤いよ?」



「な、何でもないよ。俺、外で待ってるから、早く着替えておいで」



桜ちゃんは訳が分からないと言うように頭を捻りながら、着替えに行った。



「駄目だな、俺…。桜ちゃんに完璧惚れてる…」



俺は恥ずかしさを紛らわすように頭を振ると、その場を後にした。






< 187 / 244 >

この作品をシェア

pagetop