空蝉の光 -桜花乱舞-
一哉君が嫉妬?
私はそんな彼の意外な一面に、笑いが込み上げて来た。
まあ、私もさっき嫉妬しちゃったんだけど…。
「ぷ…っ、ふふふ…」
笑っているのを悟られないように、私は一哉君に背を向けた。
でも、バレバレだった。
「何で、笑ってるの?」
一哉君は後ろから私を抱きしめると、耳元でまた囁いて来た。
町を歩く人の視線が私達に集まる。
それに加え、耳元に彼の吐息がかかり、恥ずかしさは倍増した。