空蝉の光 -桜花乱舞-


それから数日後。



私は苛立ちながら茶屋の長椅子に座っていた。



「何で、そんなに不機嫌なの?」



「何でって、あんたのせいだよ!」



私は長椅子をバンッと叩くと、目の前にいる男を睨みつけた。



私の目の前にはお父さんに近付くなと言われた男がいる。



どうして、一緒に茶屋なんかにいるのかって?



無理矢理手を引っ張られて、連れて来られたんだよ!!



私は断ったんだよ?



なのに、無理矢理って酷いと思わない!?





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