空蝉の光 -桜花乱舞-
「そんなに怒んないでよ。そういえば、自己紹介ってしたっけ?」
私は男に話かけられたけど、完全に無視した。
それでも、男は楽しそうに笑いながら、自己紹介をした。
「俺は水科一哉。君は?」
「………………」
私は完全無視すると、自分の脇に置いてある団子を取り、一口かじる。
美味しい♪
すると、子供の泣き声がした。
そっちに視線を向けると、男の子が一人で泣いていた。
私は団子を皿に一度置き、男の子に近付いた。