空蝉の光 -桜花乱舞-
「どうしたの、こんな所で?お母さんは?」
私は男の子に視線を合わせるように、その場にしゃがんだ。
「は、ぐれちゃった…」
男の子は泣きじゃくりを上げながら、そう答えた。
あぁ、つまり、迷子か…。
しょうがない…、かわいそうだから探してあげるか…。
逃げる口実にもなるし♪
「よし!お姉ちゃんがお母さんの所に連れて行ってあげる」
「ほんと…っ!?ありがとう」
私は男の子の小さな手を握ると、歩き出そうとした。