空蝉の光 -桜花乱舞-


「あれ、何処に行くの?」



すると、男に呼び止められた。



どうして、いちいち気付くかなぁ…。



「迷子を見つけたから、送って行くだけ」



「ふ~ん。君、名前何て言うの?」



男は男の子に視線を合わせると、ニッコリと笑った。



「千里(センリ)」



「千里君か。男の子がそんなに泣いちゃ駄目だよ」



すると、彼は男の子――、千里君を抱き上げ、肩車をした。



何事!?



まさか…っ!?






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