空蝉の光 -桜花乱舞-


「ねぇ、お母さん。どうして、お母さんはお父さんを好きになったの?」



突然の私の質問にお母さんは驚いたように目を見開いていた。



でも、すぐに冷静を取り戻す。



「彼らが…、彼が憎しみに狂った私を救い出してくれたの」



お母さんが家族を殺されて、憎しみに任せて、人殺しをしていたのは知ってる。



でも、軽蔑はしない。



私も家族を殺されたら、同じことをすると思うから。






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